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「電解性微酸性次亜塩素酸水」

5月29日(金)経済産業省の外郭、独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)の“新型コロナウィルスに対する代替消毒方法の有効性に関する検討委員会”から、「次亜塩素酸水等の販売実態について」ファクトシートが発表されました。

 以前、2月28日発行の園便り「かがやけ☆光の子」3月号の4コマ漫画でお知らせしていた通り、当園では数年前から電解性微酸性次亜塩素酸水を手指のみならず、あらゆる物(食品を含む)の除菌・消毒に使用してきました。この水溶液については、ノロウィルスやロタウィルス、従来型のインフルエンザウィルスや新型インフルエンザウィルス等の不活化が実証済みだったため、今般パンデミックを引き起こしている新型コロナウィルスに対する検証を待たぬままに『新型コロナウィルスの不活化にも効果があるらしい…』と、類似品、粗悪品が市場に溢れ始めました。こうした事態に、「次亜塩素酸」という名さえ付ければ売れるといった風評への歯止めを掛けるべく、曖昧な表記や表示に対して国の附属機関がファクトシートを発表したという流れです。

 現在、安全性(人体に無害)を保ちながら新型コロナウィルスに対して不活化の効果を確認できているのは、あくまで電解性微酸性次亜塩素酸水であることを承知しておいてください。パウダーを水に溶いて作る次亜塩素酸水や次亜塩素酸ナトリウム水溶液とは生成の仕方が異なる別物です。勿論、高濃度で使用すれば次亜塩素酸水も、次亜塩素酸ナトリウム水溶液も新型コロナウィルスを不活化できますが、人体への悪影響が懸念されるため、国民の誤解と誤用による健康被害を防ぐことを目的として、NITEが商品の表示と表記のありかたに警鐘を鳴らした形です。

 さて、電解性微酸性次亜塩素酸水による新型コロナウィルス不活化に関する検証研究は、北里大学、帯広畜産大学、北海道大学を中心に国立感染症研究所から供与の新型コロナウィルス株を用いて行われています。

 5月初旬、帯広畜産大学の研究グループが最初の検証結果を発表しました。
  ph値  2.5~2.7(酸性)
  濃度   74ppm(水1リットルに対する74mg)
  質量    1(コロナ株):9(水溶液)
の実験で、ph値に関係なく30秒で新型コロナ株99.99%不活化を実証

 その後、北海道大学の研究グループが同様の検証を水溶液
  ph値  5.5(微酸性:人肌とほぼ同じ)
  濃度   40ppm(水1リットルに対する40mg)
  質量    1(コロナ株):19(水溶液)
30秒で新型コロナ株99.99%不活化を実証
 ちなみ、北里大学の研究グループは質量1:9で検証。99.99%の不活化には失敗したものの99.9%は達成。水溶液をたっぷり使用することの重要性を検証しています。

 更に、帯広畜産大学の研究グループが2回目の検証を発表。濃度29ppmの水溶液で、質量1:15でも新型コロナ株を30秒で99.99%不活化に成功。有効性を実証しています。

 当園では、これまで電解性微酸性次亜塩素酸水生成装置の濃度設定を20ppm(6ph)にしてきましたが、以上の検証結果を踏まえ35~40ppmに設定を改めています。
 勿論、安全性に問題はありませんのでご安心いただきたく思いますが、皮膚の弱いお子さん、アレルギー体質のお子さんに影響がないか十分注意を払いながら、引き続き新型コロナウィルス感染症の予防に万全を期して参ります。

※必要に応じて消毒用アルコール(エタノール70度以上)も併用して参りますが、ご承知のようにアルコールは皮膚には無害でも、誤飲等によって体内に一定量以上摂取されると、急性アルコール中毒症を引き起こす可能性を排除できない危険物でもあります。また、可燃性が高く防火対象物に指定される危険物という側面もあります。そうした意味合いにおいては、電解性微酸性次亜塩素酸水は、幼児により安全で、よりやさしい消毒・除菌水であることを付け加えておきます。

園長
(臨床心理士) 山下 学

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